こんにちは。
M-1を楽しみに生きているぽかり氏です。
今年は準々決勝で敗れた90組のネタ、そして有料配信の準決勝も全部見ました。
ここでは主に決勝戦について、各組の準決勝での様子や戦い方についても触れながら感想を言いたいと思います。
決勝は本当に感動的でしたね。
最下位でも優勝できる その言葉の重さ。
では、1組ずつ感想を書きます。
素人がお笑いを語る痛い記事が苦手な人は、申し訳ありませんがブラウザバックをお願いします。
文中は基本的に敬称略です。
1組目 インディアンス「ヤンキー」
敗者復活戦を制したインディアンス。
他の有力候補としては、ゆにばーす、ぺこぱ、金属バット、コウテイ。
個人的にはこの4組の方が決勝で見たかったかな。
敗者復活には準々決勝でハネたネタ「マッチングアプリ」をぶつけたゆにばーす。
準決勝でウケがよかった「不動産屋」からネタを変えてやや失敗したぺこぱ。
ネタ「結婚相手」はよかったものの、準決勝でも敗者復活でも順番に恵まれなかった金属バット。
準決勝ネタ「教師」、敗者復活ネタ「結婚式」、どちらもかなりウケていたが好みが分かれるコウテイ。
インディアンスのネタ「ヤンキー」は面白いのですが、何回も見たことがあるネタなうえ、個人的にはツッコミのきむがワザと言い間違える(罵声を美声というなど)が違和感があって苦手でした。
ツッコミが本当に言い間違えたならまだしも、田淵のボケを引き出すためにワザと間違えるのはツッコミとしてどうなのかと思ってしまいましたね。
(普通に田淵が「美声?」と聞き間違えてボケる方が違和感はない)
正直、インディアンスが復活するとは思っていなかったので、敗者復活を見た祇園ファンが全員インディアンスに投票したのではないかと疑っています。
ただトップバッターな以上、どのコンビが来ても最終決戦に進むのはほぼ無理だったと思います。
インディアンスは会場を温めるのに一番適している芸風なので、これはこれでよかったのかもしれないですね。
2組目 東京ホテイソン「謎解き」
同じ事務所の先輩のカミナリは、M-1の決勝に何回も進出しながらネタを進化させてきた一方で、東京ホテイソンは数年間準決勝どまりでネタを進化させてきました。
その結果、進化しきった形の漫才を初の決勝でぶつけることになってしまい、初見の審査員の点数は伸び悩んでしまったのかもしれません。
逆に、サンド富澤は東京ホテイソンの進化を知っていて、ネタを受け入れやすかったから高得点になったのかなと思いました。
ネタにも一つ弱点がありました。
例えば霜降り明星の「豪華客船」というネタで、船長を演じるせいやがガタガタと震え、粗品が「リアス式海岸!」とツッコむくだりがあります。
せいや(ガタガタガタッ)
客(せいやのボケは何だろう?)
客(だからガタガタ運航してるのかwwwなるほどwww)
一方で東京ホテイソン
ショーゴ「ピラニア、ライオン、オオカミ、シカ。尻尾を取り出すと何になるでしょう?」
たける「ちょっとわからないわ」
客(どんな変な言葉になるんだろう?)
ショーゴ「答えは消しゴム。最後の言葉をとるんだよ」
たける「なるほど、ピラニアだからア、ア~?い~~~や、アンミカ~~!!」
客(アンミカになってたっけ?ピラニア以降なんていってたっけ?)
個人的には、客がこのように考えてしまうことが審査員のオール巨人が「わかりづらい」といった点なのかな?と思いました。
東京ホテイソンは一部で霜降り明星に似ているといわれて悩んでいたそうですが、差別化を図った結果、分かりにくくなってしまうというのは残念ですね。
でもそれを差し引いても十分面白かったと思います。
もっと点数が高くてもよかったと思います。
ちなみに準決勝でも「謎解き」のネタでしたが、オチが大きく変わっていました。
絶対にあの何も言えないオチにして良かったと思います。
他のネタから引っ張ってきたんでしょうかね。
また、途中にふわふわクレープのくだりを入れてきたりと、準決勝からさらにネタを改良してきました。
ふわふわクレープは他のネタにあるボケなんですが、正直むりやり入れるほどのボケか?と思いましたね。
2本目は「回文」というネタをやるつもりだったんでしょうが、そっちの方が題材的に分かりやすいので、1本目に「回文」の方が良かったかもしれませんね。
これは結果論なので仕方ないことです。
3組目 ニューヨーク「軽犯罪」
めちゃくちゃ面白かったです。こういうダークなネタがたまらないですね。
ネタのなかの二つ目のくだりが決勝では「校舎裏でイヌの糞を食べた」というものでしたが、準決勝では「蝶々を潰して募金箱に入れた」というエピソードでした。
客に引かれないように変えたそうですが「どっちでも引くわあーーーー!!!!(cv.おいでやす小田)」と思いましたw
むしろ犬の糞のほうがリアルだし汚いわ!!
あと、序盤で嶋佐が緊張してるのがテレビ越しに伝わってきましたねw
ただ、個人的に好きなので2本目も見たかったなあ。
平場は本当に流石。
松本「(表情が)なんか怖かったなぁ」
屋敷「ツッコミから表情奪う気ですか!」は流石すぎる。
4組目 見取り図「マネージャー」
面白かった。準決勝で同じネタを見たときは「そんなにかな?決勝進出はギリギリかな?」と思ったんですが、決勝では細かい部分がブラッシュアップされていたり、自民党など新しいボケも追加されてパワーアップしていてめちゃくちゃ面白かったです。
しゃべくりの上手さ、卓越したワードセンス、漫才コント中の動き、伏線回収、完璧に近かったと思います。
3年連続ということもあって、和牛を彷彿とさせるレベルだったと思います。
世代的に(?)ナンチャンの「ブラックビスケッツ」が分からなかったので、初見で「例の実は存在しないやつか?」と思ったら違いましたw
このネタは本当によかったです。
5組目 おいでやすこが「カラオケ」
準決勝ぶっちぎりでウケてました。
素人が見ていても分かるぐらい。
でもそれはR-1に出れなくなった2人に対して客席が温かかったのかな?と思ったんですが、決勝でも単純にめちゃくちゃ面白かったですねw
大声を出せるっていうのも才能なんだなぁと思います。
ただ、おいでやす小田が結構正面を見すぎな感じがしましたね。
まぁあんなに叫び散らされたらそんなことすぐに気にならなくなるんですけど。
腹抱えて笑いながら、この面白さが分からない人も大勢いるだろうなと思いました。
6組目 マヂカルラブリー「フレンチ」
準決勝では「つり革」のネタでした。
1本目の「フレンチ」は過去の敗者復活でやっていたネタでしたね。
始まったときに「え~~っ!つり革じゃないの!?」と思ったんですが、強い方を2本目に温存するという賭けだったらしいです。
野田クリスタル、おいでやすこがが爆発を起こした直後なのに、なんて男なんでしょうか。
ガラスを割って入店するという一発目のボケが爆発したのは、えみちゃん騒動やR-1優勝などを経て、お客さんに期待と受け入れる姿勢ができていた部分が大きいと思います。
それに加えて、村上の「違うよ!」と連呼するツッコミ。
ツッコミが本当に上手かったですね。野田の爆発に負けず相乗効果を生み出してました。
後半のデモンのくだりは失速しましたが、最初の爆発が強すぎましたね。
逃げ切るように決勝に進出しました。
7組目 オズワルド「改名」
面白かった。個人的に勝手に優勝予想してました。
準決勝と同じネタでしたが、「雑魚寿司」などのパワーワードが増えていました。
そしてなにより、後半の伊藤のツッコミのヒートアップの仕方。これがいつも以上でしたね。
M-1を意識してか、いつも以上に声を張っていました。
個人的にはやっぱり、静→動の漫才がオズワルドの良さだと思います。
伊藤が肯定したり流したりしたかと思えば、突然突き放して強くツッコむ。どんどんヒートアップしていく。
来年も期待したいです。
8組目 アキナ「楽屋に招待」
準決勝ではかなりウケていたネタ。
個人的にはそんなに面白くないな~と思っていたので、まあこうなるわな。と思ってしまいました。
「スベリ大魔神現る」のくだり、準決勝では確かにウケてたんですけどね。
本当にスベリ大魔神に…
アキナファンに殺されてぇのか俺は!!!!!!(cv. オズワルド伊藤)
9組目 錦鯉「パチンコ」
これほどお笑いファンから期待されていたダークホースがいたでしょうか。
準決勝でもバカウケ。おいでやすこがと並んで決勝確定だなと思ってました。
準決勝からネタの内容に変化は無かったんですが、準決勝の方がちょっと全体のテンポとかがよかった気がします。
去年の敗者復活に比べて、ツッコミが上手くなったなぁと思いました。
去年はツッコミがゆっくり叩いてツッコんでいて、ボケのテンションも相まってキャイ〜ンを彷彿とさせる感じでした。
今年はツッコミがかなり素早く強く頭を叩くようになって、動きも言葉もキレがよくてハマりましたね。
10組目 ウエストランド「彼女」
悪くなかった。ツッコミ(?)の井口が長々とツッコミを入れる方が個人的には好きなんですがね…
「いないよ?」「復讐だよ?」のところは何回でも笑ってしまう。
準決勝から少し構成を変えてきたのはいいんですが、「復讐だよ?えっ。。。復讐だよ?えっ。何言ってんの?」の「何言ってんの?」が大好きだったんですが、決勝では出ず残念。
あと、ボケの河本がちょいちょい噛んでたのも残念。
最後の出番で爆発を起こせるネタではなかったですね。起こせるほうが凄いんですけどね。去年のぺこぱみたいに。
最終決戦
見取り図「地元」
やっぱり1本目に比べると弱いなと思ってしまいましたね。それでも、正統派漫才だったのでそこがプラスに評価されれば分からないなと思いました。
マヂカルラブリー「つり革」
このネタを温存した作戦勝ちです。
フレンチじゃおいでやすこがに負けてたと思います。
このネタで準決勝から決勝で変更された点が多くあります。
準決勝「手すりがアチアチになっている」→決勝「手すりに電流が流れている」
準決勝「(止まった列車の床に)死体が転がっている」→決勝「人が倒れている」
準決勝「電車から降りると突然崖になっていて、落下地点が剣山になっており竹槍が身体に突き刺さる」→決勝「電車から降りようとしてドアに顔を挟まれて気絶」
後半をテレビ用にマイルドにしているのが分かりますね。
この野田がずっと転がっているネタを漫才と呼べるのかという論争が勃発しました。
審査員はみんな「面白ければいい」という意見で一致しているようなので、素人がいくら「あれはダメだろ」といってもしょうがないんですが、言いたくなる人の気持ちはわかります。
ただ一つ思うことがあって。
「あれはコントだ」という意見は違うと思います。
コントだったら、村上がどこからツッコめばいいんでしょうか。
同じ殺人列車に乗るわけにもいかず、どこにも場所はありません。
あのネタは漫才だからこそツッコミが存在し、成り立っているんだと思います。
むしろ、「客と店員」のようにボケとツッコミの両者が役に入る漫才の方が、よっぽどコントに近いと思います。
サンドウィッチマン、NONSTYLEなど様々なコンビがやっている、いわゆる「漫才コント」です。
マヂカルラブリーの2本目よりも、見取り図の1本目の方がコントに近いと思います。
おいでやすこが「ハッピーバースデー」
おいでやす小田が何を言ってもウケる状況で、こがけん中心のネタだったのはちょっともったいない。もちろん十分面白いんですがね。
ただ1本目がシンプルな構造だった一方で、2本目では「ケーキは他のやつに持ってこさせろ」というひねったツッコミや、「一対一で祝っている」とツッコミでバラすなどの工夫された面白さがあってよかったです。
M-1を見ながら自分で各コンビを採点する人も多いと思います。
自分もそんなヤバい人間の一人なので、一応ここにも書いておきます。
インディアンス 88
東京ホテイソン 92
ニューヨーク 94
見取り図 95
おいでやすこが 96
マヂカルラブリー93
オズワルド 93
アキナ 86
錦鯉 91
ウエストランド 87
2本目
見取り図 90
マヂカルラブリー95
おいでやすこが 93
やっぱり2本目だけ見るとマヂカルラブリーが圧勝だったと思います。
正統派の見取り図、2本目を制したマヂカルラブリー、1位通過のおいでやすこが。
どの審査員がどこを評価するのか本当にワクワクでしたね。
去年よりレベルが下がったと言っている人もいますが、それは去年が神回すぎただけだと思います。
しゃべくり漫才以外の個性的な漫才が多かったのも、一般の人から見れば「あまり面白くないコンビがいた」と思われる原因なんでしょうね。
そして個人的には、今回初めて準決勝を見ました。
今までは決勝でやるネタを前もって知りたくないと思って敢えて見ないようにしていた節もあったんですが。
見るべきだと思いました。
やっぱり面白いネタは何回見ても面白いし、準決勝からさらに調整してさらに面白くしているコンビがほとんどで、そこに気づける楽しさがあります。
今年はライブビューイングだけでなく有料配信があったのでありがたかったですね。
果たして来年のM-1はどうなるんでしょうか。
床に転がる漫才が増えるのでしょうか。
今から楽しみです。